2007 Fiscal Year Annual Research Report
アブラナ科野菜高純度F1採種技術開発に向けた安定自家不和合性の分子解析
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18780007
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Research Institution | National Agricultural Research Organization |
Principal Investigator |
畠山 勝徳 National Agricultural Research Organization, 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構・野菜茶業研究所・野菜育種研究チーム, 主任研究員 (60355625)
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Keywords | 自家不和合性程度 / キャベツ / SSR / QTL |
Research Abstract |
本年度はキャベツ分離集団の自家不和合性程度の評価と連鎖解析に供試するマーカーの探索を主として行った。自家不和合性程度の高い系統Cal-1406と低い系統Cal-1408の2近交系統(同-S遺伝子型)とF_1,F_2104個体を網室内で育成し、ミツバチを用いた虫媒受粉によりF_2個体の自家不和合性程度を評価した。その結果、F_2の結実莢率(結実莢数/全開花数)は、F_1値を頂点とする連続的な分布を示した。両親系統のS遺伝子型が同一であることから、Cal-1406のもつ高レベルの自家不和合性形質はS遺伝子座とは独立の複数の遺伝子座が関与していると考えられた。S遺伝子座とは異なる受粉・受精・結実に関わる因子を特定できる可能性があり、科学的な意義は極めて大きい。また、組換え近交系の育成のためにF_3種子を採種した。一方マーカー探索については、韓国から公開されているハクサイBACクローンの末端配列から探索したSSR150個およびイギリスから公開されている西洋ナタネ、キャベツ、クロガラシのSSRマーカー291個を供試して、両親系統間で多型を示すマーカーの探索を行った。クロガラシ由来のSSRマーカーは、キャベツでの増幅率(23%)が悪ぐ、また多型率(7%)も低かったが、BAC末端配列由来のSSR、西洋ナタネおよびキャベツ由来のSSRでは、それぞれ20個程度のSSRマーカーを同定することができた。昨年度同定したSSRマーカーとあわせて目標の100個程度のSSRマーカーが同定できたので、F_2での連鎖解析を開始した。連鎖解析に供試するマーカー獲得に手間取ったが、来年度中にはQTLの同定と連鎖マーカーの解析まで進めることができると考えられる。
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