2006 Fiscal Year Annual Research Report
植物の療法的効果を取り入れたガーデンホスピタル推進のための実践的研究
Project/Area Number |
18780016
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
岩崎 寛 千葉大学, 園芸学部, 助教授 (70316040)
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Keywords | 病院 / 緑化 / ガーデンホスピタル / ラベンダー / 芝生 / リハビリテーション / ストレス緩和 / 癒し |
Research Abstract |
1.病院の現状調査 関東圏における病院側の植栽や緑化に対する意識を把握するため、アンケート調査を行った。アンケートは東京および千葉の病院を対象に行い、138施設からの回答を得た。その結果、緑化場所に関しては関西と関東での傾向の違いが見られた。関西では国公立の病院では病院内部より病院の外周に対する緑化が多く、私立では病院の内部の緑化が病院外周よりも多い結果であったが、関東では私立も国公立もどちらも病院外周における緑化の割合が多かった。緑化予算に関する意識としては設置者による違いが見られ、私立で不足していると感じている病院が多いのに対し、国公立では満足しているとの回答が多かった。また、同じ関東圏でも東京都と千葉県では病院緑化に対する意識に違いが見られ、東京のほうが高い関心がみられた。このように、地域や設置母体などによる意識の違いが明らかになった。 2.療法的効果のある植物の効果計測 実際に病院における植栽計画を考える際に、植栽する植物の選定が重要である。そこで、療法的効果が期待されるハーブである「ラベンダー」とリハビリテーションの場として期待される芝生地の保有する生理・心理的効果の検証を行った。その結果、ラベンダーに関しては、アロマセラピー等の研究ではリラックスする香りとして報告されているが、実際に植栽されたラベンダー畑では、血圧を下げる効果は見られたが、ストレスホルモンは軽減されなかった。また、心理的評価としては「興味深い」「面白い」「綺麗」といった印象が強く見られたことから、リラックスする場所としてではなく、「気分転換」出来る場所として評価できると考えられた。一方、芝生地は、血圧の低下やストレスホルモンの軽減などの効果が見られ、心理的評価としては、「大人しい」「落ち着いた」といった印象が強かったことから、ラベンダーとは異なり「休息」の場としての評価が高いことが分かった。
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Research Products
(1 results)