2006 Fiscal Year Annual Research Report
リンドウで見出された新規な外来遺伝子発現抑制現象の解明
Project/Area Number |
18780023
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
三柴 啓一郎 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 助手 (70390888)
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Keywords | リンドウ / 遺伝子導入 / 発現抑制 / DNAメチル化 / Agrobacterium / 園芸学 |
Research Abstract |
外来遺伝子を導入したリンドウ植物体において、DNAメチル化を伴った外来遺伝子の発現抑制がCaMV-35Sプロモーター領域で高頻度に引き起こされる現象を見出した。これまでに解析した組換えリンドウではT-DNA領域内で35Sプロモーターがタンデムに2コピー含まれていたので、このことがメチル化を引き起こす要因である可能性が存在した。そこで本研究では、T-DNA領域中に35Sプロモーターが1つだけ含まれるベクターをジンドウに導入し、ゲノム中に35Sプロモーターがシングルコピーで挿入された系統を選抜して、同様な抑制現象が引き起こされるのかを調査した。 Agrobacterium法により、リンドウでは12系統、タバコでは6系統の独立したシングルロピーでT-DNAが導入された形質転換植物体を得た。ノザン解析の結果、タバコではこれら全ての系統でsGFPのmRNA発現が確認されたが、リンドウでは3系統でごく弱い発現が検出されたのみであった。 35S-sGFP領域におけるメチル化解析の結果、リンドウでは調べた12系統全てにおいて、35Sプロモーター領域で高度なシトシンメチル化が認められた。それに対して、タバコではこの領域のメチル化は殆ど検出されなかった。 35Sプロモーター領域のメチル化は、調べたリンドウ系統に共通して、as-1エレメントの上流域で高頻度に生じていた。またこの領域ではCpG及びCpWpG(W: AorT)以外のシトシン配列でも高頻度にメチル化されていたことから、de novoメチル化がこの領域で積極的に引き起こされていることが示された。 以上の結果より、組換えリンドウで観察された外来遺伝子のDNAメチル化による発現抑制現象は、ゲノム中に1コピー挿入されただけでも引き起こされることが確認された。
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Research Products
(1 results)