2006 Fiscal Year Annual Research Report
都市域の生物多様性保全を目的としたエコロジカルネットワークの機能解明に関する研究
Project/Area Number |
18780024
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
一ノ瀬 友博 兵庫県立大学, 自然・環境科学研究所, 助教授 (90316042)
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Keywords | エコロジカルネットワーク / 都市域 / 鳥類 / パッチ / コリドー / 地理情報システム / 大阪市 |
Research Abstract |
本研究では、都市域においてエコロジカルネットワーク有効的に機能させるためには、どのようなパッチやコリドーを配置させることが必要であるのか、さらにはそれぞれの質(特に内部の構造)はどのような影響を及ぼしているのかを明らかにすることを目的とする。パッチとコリドーの関係については、パッチはより大きい方が良く、コリドーはより幅広いものがふさわしく、それらが接続されるのが望ましいとされるが、現実の計画の際には、より具体的な閾値が必要となる。パッチとコリドーは必ず接続されなければならないのか、パッチは最低どのぐらいの面積を持っ必要があるのか、コリドーとして機能するためには、どのような構造や配置が必要であるのかより具体的に明らかにすることを目指す。 平成18年度には、大阪市の中心部の緑地が比較的残存している地域において越冬期の鳥類分布調査を実施した。小規模な緑地はパッチかあるいはコリドーとして扱うのか、あるいは良好なマトリックスと考えるのか、判断が難しいので、今回の調査では1辺約1kmの3次メッシュを3つ設定し、その3次メッシュをさらに縦横5等分する1辺約200mのメッシュを単位として30地点における現地調査を行った。対象地内のレーザースキャナーによるDSM(地上の被覆の高さのデータ)を入手したので、鳥類の分布と植生高に特に着目して現在分析を進めている。また、海外の都市と比較するための調査の準備も進めており、3月にはインドネシアのジャカルタ市郊外において予備調査を実施した。さらに、コペンハーゲン市における平成19年5月の繁殖期の調査に向けて、すでに衛星データ(QuickBird)のデータを購入し、対象地を決定し、衛星データの分析を始めている。 研究成果の公表としては、これまでの研究成果を整理し、都市におけるエコロジカルネットワークの考え方や実践の方法に関する論文を2本発表した。
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Research Products
(2 results)