2006 Fiscal Year Annual Research Report
獲得抵抗性分子機構において発現誘導されるウイルス複製阻害タンパク質の機能解析
Project/Area Number |
18780030
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
竹下 稔 九州大学, 農学研究院, 助手 (00304767)
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Keywords | 植物 / ウイルス / 遺伝子 |
Research Abstract |
RNAiの手法を用いて,IVRサイレンシング植物の作出を実施した.まず,IVR遺伝子のタンパク質コード領域の中央部分をPCR増幅し,35Sプロモーター下流にヘアピンループ構造のRNAを転写できる形質転換用バイナリーベクターにPCR増幅断片を挿入した.形質転換で得られたT1ならびにT2世代において,LARならびにSARへの影響を調べた.TMV一次接種後,接種葉に誘導されるHRのサイズはどの系統においても変化しなかった.また,TMVの蓄積量にも顕著な変化は認められなかった.この結果よりIVR遺伝子発現のLAR,すなわち局部獲得抵抗性への深い関与はないものと判断された.一方,TMVの二次接種後において,IVRの発現量が抑制されている系統が複数得られた.また,それらの系統ではTMVの蓄積量が増加しており,二次接種葉におけるHRのサイズも増加傾向にあった.また,IVRの発現量に変化が認められなかった系統ではHRのサイズやTMVの蓄積量の増加は認められなかった.以上の結果から,IVR遺伝子発現はSAR,すなわち全身獲得抵抗性に関与していることが示唆された.
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