2008 Fiscal Year Annual Research Report
RNA干渉を用いたマツノザイセンチュウにおける植物細胞壁分解酵素の役割解明
Project/Area Number |
18780032
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Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
菊地 泰生 Forestry and Forest Products Research Institute, 森林微生物研究領域, 研究員 (20353659)
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Keywords | RNA干渉 / マツノザイセンチュウ / 細胞壁 / セルラーゼ / 植物寄生 / 糸状菌 |
Research Abstract |
C. elegans以外の多くの線虫は、外環境からの2本鎖RNAの取り込み能力と体内でのRNAiシグナルの増幅能力が欠損しており、RNAiの誘導が難しい。植物寄生線虫マツノザイセンチュウにおいてもRNAiの誘導が難しいことが前年までの結果から明らかになった。これまでのノックダウンターゲットとしては、これまで植物寄生線虫、動物寄生線虫で明らかな効果が見られた報告があり、モデル線虫C. elegansにおいてその遺伝子の役割がクリアに判明しているもの、また、遺伝子発現部位の異なるものと遺伝子発現量の異なるものを含めることにも留意し選択した。結果として細胞壁分解酵素、Major sperm protein、ハウスキーピング遺伝子等を含む12遺伝子をターゲットとし、ソーキング法を行ったが明確なノックダウン、表現型の変化は見られなかったが、インキュべート時間を長くすることによって発現量の減少がより効果的に起こるらしいことが明らかとなった。ソーキング法による誘導の欠点は、液中での長期間インキュベートによる生体活性の低下が起こり、長期間に及ぶ影響を調べるのに適していないことである。そこでフィーディング法によりRNAi誘導を行うため、マツノザイセンチュウの食餌となる糸状菌を用いることを発案した。線虫の増殖と二本鎖RNAの発現に双方に適した菌を選抜を行うため、各種菌類上でのマツノザイセンチュウの増殖試験、ならびに各種菌類の形質転換法および発現プロモーターの検討を行った。また、ピキアを用いてマツノザイセンチュウのセルラーゼの組換え酵素を作成し、生化学的な性質を明らかにした。
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