2007 Fiscal Year Annual Research Report
昆虫ウイルスの遺伝的多様性維持機構に関する進化生態学的研究
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18780038
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Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
高務 淳 Forestry and Forest Products Research Institute, 森林昆虫研究領域, 主任研究員 (80399378)
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Keywords | 昆虫ウイルス / 昆虫ポックスウイルス / ハマキガ / 遺伝子型 |
Research Abstract |
ウイルスの適応度が環境によってどのように変化するのかを明らかにすることを全研究期間の達成目標にすえ、今年度は、ウイルスの純化株を得ること、および得られたウイルスの遺伝的変異について解析することを目的とした。昨年度に引き続き、ウイルスに感染した多数のハマキガ類の昆虫を異なる地域、樹種から採集した。これら感染虫の多くは、複数の遺伝子型のウイルスか、もしくは別種のウイルスに重感染していることがわかった(別種のウイルスについては、別途解析し、本研究の対象ウイルスとは異なることを確認した。)。このため、in vivoクローニングを行い、ウイルスを純化する操作を行い、目的とするウイルスの純化株を複数得ることができた。これらを、昨年度に確立した方法(ウイルス構造蛋白遺伝子の増幅産物の制限酵素断片長分析および、ウイルスゲノムの制限酵素断片長分析とサザンハイブリダイゼイゼーション)によって、ウイルス種の同定を行うとともに、本研究で対象にしているウイルス種内の遺伝子型を調査した。その結果、ウイルス種内の変異が著しく高いことが明らかとなった。また、ウイルスゲノムの構造蛋白質の遺伝子や酵素をコードしている遺伝子を解析し、遺伝子の配列の変異に関する情報も得た。
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