2006 Fiscal Year Annual Research Report
生殖成長、形態形成および種子成熟に関わる金属栄養の研究
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18780044
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高橋 美智子 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 助手 (90345182)
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Keywords | 植物 / 発生・分化 / 発現制御 / 金属栄養 / ストレス |
Research Abstract |
イネの生殖成長期、および種子成熟期における金属輸送形態を探るため、鉄、亜鉛、マンガンの放射性同位元素をデオキシムギネ酸、ニコチアナミン、クエン酸に結合させて植物に与え、金属移行を調べた。また、^<14>Cでラベルしたデオキシムギネ酸、ニコチアナミン、クエン酸とcoldの金属を結合させたものも投与し、金属の放射性元素の動きと比較した。またカルシウム,カドミウム、グルコースの放射性元素の動きも解析した。その結果、種子成熟期において、^<59>Feは未熟種子の背部維管束や湖紛層、胚に多く集積し、胚乳にはあまり集積しなかった。亜鉛は胚乳や胚に多く集積し、マンガンは鉄に類似した集積分布を示したが、鉄よりも胚乳に多く集積した。これらは金属濃度の定量結果と一致していた。また、3種のキレーター間で未熟種子内における^<59>Fe分布に大きな差はみられなかったが、ニコチアナミンがもっとも効率よく未熟種子に^<59>Feを輸送した。さらに、未熟種子内における^<59>Fe分布はニコチアナミン合成酵素およびデオキシムギネ酸合成経路上の酵素の遺伝子発現パターンや、ニコチアナミン金属錯体、デオキシムギネ酸金属錯体のトランスポーターの発現パターンと類似していた。これらのことは鉄がニコチアナミン鉄およびデオキシムギネ酸鉄として種子に運ばれることを示唆した。鉄に関する研究成果を2006年日本土壌肥料学会、日本植物学会、2007年の日本植物生理学会年会において口頭発表した。
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[Journal Article] Biosynthesis and secretion of mugineic acid family phytosiderophores in zinc-deficient barley.2006
Author(s)
Suzuki M, Takahashi M, Tsukamoto T, Watanabe S, Matsuhashi S, Yazaki J, Kishimoto N, Kikuchi S, Nakanishi H, Mori S, Nishizawa NK
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Journal Title
The Plant Journal 48
Pages: 85-97
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[Journal Article] Isolation and characterization of IRO2, a novel iron-regulated bHLH transcription factor in graminaceous plants.2006
Author(s)
Ogo Y, Nakanishi Itai, R, NaKanishi H, Inoue H, Kobayashi T, Suzuki M, Takahashi M, Mori S, Nishizawa NK
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Journal Title
Journal of Experimental Botany 57
Pages: 2867-2878
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