2006 Fiscal Year Annual Research Report
土壌環境中の重金属に応答した植物の活性酸素生成とカルシウム情報伝達系への影響
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18780047
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Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
河野 智謙 北九州市立大学, 大学院国際環境工学部, 助教授 (20335699)
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Keywords | 植物 / カルシウムイオン / 活性酸素 / 土壌 / 金属 / イオンチャネル / 環境 / 細胞内情報伝達 |
Research Abstract |
本研究では、植物におけるカルシウム情報伝達と活性酸素生成系を介した環境応答に与える金属イオンの影響について研究を行った。その結果、オゾンに対するタバコ細胞および植物体の応答および過敏感細胞死誘導反応においてカルシウムチャネルと二次的な活性酸素生成が重要な働きをすることを明らかにし、その前者はアルミニウムイオン(Al^<3+>)や希土類イオン(La^<3+>,Gd^<3+>など)に対して感受性を示し、後者は二価鉄イオン(Fe^<2+>)や一価の銅イオン(Cu^+)の影響を大きく受けることが明らかになった(Kadono et al.2006、研究発表欄参照)。また、3系統のタバコに由来する培養細胞およびイネの培養細胞の低温応答性カルシウム情報伝達に対する16種類の希土類イオンとアルミニウムイオンの影響を比較した。希土類16種類に対する感受性のタイピングとアルミニウムに対する強い感受性から低温応答性カルシウムチャネルが機械刺激応答性カルシウムチャネルとも活性酸素応答性カルシウムチャネルとも異なる新規のチャネルであることが明らかになった(Lin et al.2007、低温生物工学会誌、印刷中)。 この他に「土壌環境中の重金属に応答した植物の活性酸素生成とカルシウム情報伝達系への影響」に関連したテーマで、6件の海外研究機関における招聘講演(英・クランフィールド大学、独・ボン大学、仏・パリ第6大学、仏・パリ第7大学、中国林業科学研究院など)、3件の国内外シンポジウム招聘講演(北京市、九州大学など)、7件の国際会議発表、および8件の国際学会発表を行った。 また現時点で成果発表には至っていないが、北九州市におけるカドミウム高含有米発生のフィールドにおける実態調査およびその発生メカニズムの検証を北九州市経済文化局農林水産部および北九州市市環境科学研究所との共同研究を通じて実施している。
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[Journal Article] Ozone-induced cell death mediated with oxidative and calcium signaling pathways in tobacco Bel-W3 and Bel-B cell suspension cultures.2006
Author(s)
Kadono, T., Yamaguchi, Y., Furuichi, T., Hirono, M., Garrec, J.-P., Kawano, T.
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Journal Title
Plant. Signaling and Behavior 1巻6号
Pages: 312-322