2007 Fiscal Year Annual Research Report
土壌環境中の重金属に応答した植物の活性酸素生成とカルシウム情報伝達系への影響
Project/Area Number |
18780047
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Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
河野 智謙 The University of Kitakyushu, 大学院・国際環境工学研究科, 准教授 (20335699)
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Keywords | 植物 / カルシウムイオン / 活性酸素 / 土壌 / 金属 / イオンチャネル / 環境 / 細胞内情報伝達 |
Research Abstract |
本研究では,前年度に引き続き,植物培養細胞および植物体(タバコ,イネ,シロイヌナズナ)および藻類におけるカルシウム情報伝達と活性酸素生成系を介した環境応答に与える金属イオンの影響について研究を行った。以下に成果を列記する。(1)本研究の成果として得た知見を,活性酸素生成とイオンチャネルに関する複数の著書と総説の中で公表した。(2)すでにAl^<3+>やCu^<2+>をはじめとする金属イオンが活性酸素生成およびカルシウム情報伝達の制御因子として重要な役割を演じることを既に報告しているオゾンに対するタバコ細胞の応答反応を,実験室レベルではなく実際に光化学オキシダント発生時の大気に曝露した植物を用いて詳細な解析を行った(国内外の学会において成果発表済み)。(3)タバコ培養細胞の低温応答性カルシウム情報伝達に対する16種類の希土類イオンとアルミニウムイオンの影響を既報に続いて詳細に解析した(林他)。この他に「土壌環境中の重金属に応答した植物の活性酸素生成とカルシウム情報伝達系への影響」に関連したテーマで,22件の学会発表,招聘講演等を行った。 また現在,研究を継続中であるが,北九州市におけるカドミウム高含有米発生のフィールドにおける実態調査およびその発生メカニズムの検証を北九州市経済文化局農林水産部および北九州市市環境科学研究所との共同研究を通じて実施している。さらに19年3月より,カドミウムが活性酸素生成および一酸化窒素の生成に与える影響に関してフランスのブルゴーニュ大学との共同研究に着手した。
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