2006 Fiscal Year Annual Research Report
多機能リアーゼの高度機能特化とLードーパ生産の新展開
Project/Area Number |
18780060
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Research Institution | Ishikawa Prefectural University |
Principal Investigator |
片山 高嶺 石川県立大学, 生物資源環境学部, 講師 (70346104)
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Keywords | チロシンフェノールリアーゼ / L-ドーパ / TyrR |
Research Abstract |
チロシンフェノールリアーゼはパーキンソン氏病の治療薬L-ドーパの合成を担う産業上重要な酵素である。本研究では効率的なL-ドーパ合成を目指して、「酵素の改変技術を、加水分解酵素や転移酵素のみならず、リアーゼにも適用する」という理念のもと、チロシンフェノールリアーゼ(TPL)を合目的に機能特化してL-ドーパ生産に結びつけるとともに、その反応機構の詳細を理解することを目的とした。 大腸菌のチロシン要求性株にチロシンフェノールリアーゼ遺伝子を導入すると、フェノールを含む最少培地上で生育可能となった。このことは、細胞内でフェノールとピルビン酸とアンモニアからチロシンが合成されていることを示している。そこで、本遺伝子の変異ライブラリーを作製し、同培地にて培養して生育速度の上昇したものをスクリーニングした結果、別々のライブラリーより12株を選抜することができた。それらの株からプラスミドを抽出して塩基配列を決定したところ、チロシンフェノールリアーゼ遺伝子のプロモーター部位に変異が導入されていた。つまり、チロシンフェノールリアーゼの発現レベルが上昇したことによって細胞内でのチロシン合成速度が早くなっため、生育速度が上昇したことが考えられた。本研究では、酵素遺伝子そのものへの変異導入が目的であるため、これらの変異は適しておらず、ライブラリーの作製法に変更を加えなければならない。
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