2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18780086
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
尾山 公一 Nagoya University, 物質科学国際研究センター, 技術職員 (80402460)
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Keywords | ツユクサ / 青色色素コンメリニン / マロニルアオバニン / アシル化アントシアニン / アントシアニン生合成経路 / フラバノール配糖体 / フラベノール配糖体 / 空気酸化 |
Research Abstract |
ツユクサの青色色素コンメリニンは、アシル化アントシアニンのマロニルアオバニン、配糖化フラボン、マグネシウムイオンからなる分子量が9kDaでナノサイズにも及ぶ巨大自己組織化超分子金属錯体色素である。構成成分のうち配糖化フラボンの合成は既に完了しているので、多アシル化アントシアニンの合成方法を新たに創出してマロニルアオバニンを合成し、コンメリニンの全合成を行う。これまで、アシル化アントシアニンの合成例がなかったので、モノアシル化アントシアニンの合成研究を行った。配糖化フラボンを金属還元することにより、赤紫色のバーベナの花色素であるモノアシル化アントシアニンの全合成を達成し、初めてのアシル化アントシアニンの合成に成功した(Tetrahedron Lett.,2007)。既にフラベノール配糖体が空気酸化により容易にアントシアニンに変換できることを見出している(Org.Lett.2006)ので、モノアシル化アントシアニンの全合成とこの空気酸化によるアントシアニンの変換反応から得られた知見を総合的に活用して不安定なアシル基を有する多アシル化アントシアニンの合成研究を行った。B環のヒドロキシル基が、マロニルアオバニンより1つだけ少ない赤シソの色素成分であるマロニルシソニンの前駆体となる3位と5位のみが遊離のヒドロキシル基をもつフラバノール誘導体をカテキンから合成することに成功した。さらに、このフラバノール誘導体の3位または5位へ位置選択的に配糖化する方法を見出した。今後、このフラバノール配糖体をフラベノール配糖体へと変換する手法を確立して多アシル化アントシアニンの合成手法を新規開発し、コンメリニンの全合成に挑む。
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Research Products
(4 results)