2006 Fiscal Year Annual Research Report
放線菌二次代謝産物における特異な分子構築機構に関する研究
Project/Area Number |
18780088
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
荒川 賢治 広島大学, 大学院先端物質科学研究科, 助手 (80346527)
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Keywords | 抗生物質 / 生合成 / 放線菌 / ポリケチド / 制御遺伝子 / ガンマブチロラクトン |
Research Abstract |
放線菌Streptomyces rochei 7434AN4株はランカサイジン(LC)・ランカマイシン(LM)の2つのポリケチド抗生物質を生産し、その遺伝子は線状プラスミドpSLA2-L上にコードされている。本年度は(1)LM生合成経路の解明,(2)二次代謝制御遺伝子群の解析,に焦点を絞り研究を実施した。 (1)2つのP450水酸化酵素の遺伝子破壊および代謝産物解析を行ったところ、lkmFが8位、lkmKが15位の水酸化に関与することが分かった。この結果をin vitroでも検証するため、発現タンパクとデオキシLMとを反応させた。その結果、LkmKは15-デオキシLMをLMへと変換することが出来た。一方、LkmFは8-デオキシLMを変換できなかったため、現在反応の至適条件および反応基質の検討を行っている。 (2)pSLA2-L上の制御遺伝子について網羅的解析を試みたところ、SrrXはGB生合成に関与すること、抗生物質生産のGBリセプターがSrrAであること、さらにSrrAの標的遺伝子が転写活性化遺伝子srrYであることが立証出来た。また、SrrA-srrYのプロモーター結合領域も特定できた。また、srrB破壊株は両抗生物質を数倍以上高生産し、さらにsrrC破壊株はsrrA破壊株と同様に胞子形成能を失っていた。これによりsrrBは抗生物質生合成を負に制御し、srrA, srrCは形態分化を正に制御していることも明らかとなった。 最終年度となる来年度はLCの大員環形成機構の解明や、制御カスケードの分子レベルでの解析に重点を置いて研究を遂行する。
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Research Products
(3 results)