2006 Fiscal Year Annual Research Report
籾殻による食用キノコ迅速栽培法の確立と菌糸生育促進物質の単離
Project/Area Number |
18780090
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Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
花井 秀俊 秋田県立大学, 生物資源科学部, 助教 (60336443)
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Keywords | 生理活性 / 植物 / 籾殻 / キノコ |
Research Abstract |
1.食用キノコにおける菌糸生育促進効果の検討 これまでの研究により、申請者は数種の食用キノコの菌糸生育に対して籾殻添加が促進効果を示すことを明らかにした。本年度は新たにタモギタケ、エノキタケについて籾殻添加による菌糸生育への効果を検証した。その結果、タモギタケについては10-80mg/mlの範囲で濃度依存的な菌糸生育促進効果が確認された。一方エノキタケについては5-40mg/mlの範囲でやや低い菌糸生育促進効果が確認された。以上の結果から、タモギタケ、エノキタケについても籾殻を培地に添加することで栽培期間を短縮できる可能性が示唆された。 2.菌糸生育促進物質の精製・単離 ウシグソヒトヨタケの菌糸生育を指標に、籾殻に存在する菌糸生育促進物質の単離を目指して精製を進めた。20kgの籾殻より水抽出物を得、これを各種カラムクロマトグラフィー及び分取HPLCにより順次分離し活性物質を精製した。現在までに、1-5μg/mlで菌糸生育促進活性を示す画分を2画分得た。しかしながらそれぞれ0.5mg以下の微量であり、構造決定には至らなかった。今後更に精製スケールを増やして構造解析に供する試料を得る予定である。 3.キノコ栽培における実証試験 申請者はこれまでにマイタケ栽培工場において籾殻添加による栽培期間短縮効果の試験を行い、1サイクルについて約6%栽培日数を短縮できることを示した。そこでエリンギ栽培農家に協力を仰ぎ、栽培培地に籾殻を添加して栽培日数を計測する試験を試みた。その結果、マイタケの場合と異なり有意な効果を確認することは出来なかった。今後は実験室規模で栽培試験を行い、実験条件の最適化を図る予定である。
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