2007 Fiscal Year Annual Research Report
ひも状ミセルを利用したエマルションゲルの創造とレオロジー特性の制御
Project/Area Number |
18780094
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
荒牧 賢治 Yokohama National University, 大学院・環境情報研究院, 准教授 (80313469)
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Keywords | ひも状ミセル / ゲルエマルション / 分子集合体 / レオロジー / 可溶化 / 状態図 |
Research Abstract |
エマルションを得るために通常添加される乳化剤バルク溶液中における分子集合体構造制御によりエマルションのレオロジー特性をコントロールすることを目的として研究を行った。親水性界面活性剤と親油性界面活性剤の混合により高分子鎖のように1次元方向に延びたひも状ミセルが形成され、溶液のレオロジー特性が変化する。前年度はアニオン性界面活性剤SDS、カチオン性界面活性剤CTAB、ポリオキシエチレン型非イオン界面活性剤のミセル水溶液に親油性の非イオン界面活性剤C_<12>EO_3を添加した水溶液系でひも状ミセル溶液を形成させた。このひも状ミセル溶液に流動パラフィン、オリーブ油などの比較的分子量が大きい油剤をもちいてミセル中への可溶化を抑制することにより本研究の目的であるひも状ミセル溶液ベースのエマルションを形成させることができた。しかし、非イオン界面活性剤がエマルション中の油剤に溶解してしまうため、高油剤含量のエマルションを得ることができなかった。本年度は非イオン界面活性剤にグリセリン基を有するモノグリセリドを用いることでこの問題を解決することができ、最終的に40%程度の油剤を含有するエマルションを得ることができた。このエマルションのレオロジー特性を測定したところ、損失弾性率と貯蔵弾性率の周波数依存性曲線が交差する典型的な粘弾性特性を有することがわかった。また、比較的低分子量の油剤を用いた場合に形成されるキュービック相やヘキサゴナル相などの分子集合体溶液を用いたエマルションについても検討し、特に従来報告されていなかったヘキサゴナル相を用いたエマルションの形成に成功した。このエマルションの形成条件とレオロジー特性については来年度にかけて検討する。
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Research Products
(4 results)