2008 Fiscal Year Annual Research Report
ひも状ミセルを利用したエマルションゲルの創製とレオロジー特性の制御
Project/Area Number |
18780094
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
荒牧 賢治 Yokohama National University, 大学院・環境情報研究院, 准教授 (80313469)
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Keywords | ひも状ミセル / ゲルエマルション / 分子集合体 / レオロジー / 可溶化 / 状態図 / ヘキサゴナル相 / リオトロピック液晶 |
Research Abstract |
エマルションを得るために通常添加される乳化剤バルク溶液中における分子集合体構造制御によりエマルションのレオロジー特性をコントロールすることを目的として研究を行った。親水性界面活性剤と親油性界面活性剤の混合により高分子鎖のように1次元方向に延びたひも状ミセルが形成され、溶液のレオロジー特性が変化する。前年度はアニオン性界面活性剤SDS、カチオン性界面活性剤CTAB、ポリオキシエチレン型非イオン界面活性剤のミセル水溶液に親油性の非イオン界面活性剤C_<12>EO_3を添加した水溶液系でひも状ミセル溶液を形成させ、そのレオロジー特性を検討した。また、比較的低分子量の油剤を用いた場合に形成されるキュービック相やヘキサゴナル相などの分子集合体溶液を用いたエマルションについても検討し、特に従来報告されていなかったヘキサゴナル相を用いたエマルション(O/H_1型エマルション)の形成に成功した。O/H_1型エマルションの動的粘弾性測定から求めた損失弾性率と貯蔵弾性率の周波数依存性曲線は交差せず、固体的なレオロジー特性を有することがわかった。複素粘性率は油剤の含有量が増えるとともに低下した。これらのレオロジー特性はO/I_1型エマルションと同様であり、連続層である液晶部分の構造がエマルション全体のレオロジー特性を支配している。また、その観点からキュービック相の方がヘキサゴナル相より高粘性であり、O/I_1型のほうがO/H_1型よりも高粘性であることもわかった。以上の研究により新しいタイプのエマルションであるO/H_1型エマルションの一般的なレオロジー特性が明らかになった。
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