2006 Fiscal Year Annual Research Report
林産物マーケティングの理論と実証に基づく計画手法の体系化
Project/Area Number |
18780108
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
尾張 敏章 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 講師 (00292003)
|
Keywords | 林産物マーケティング / 林産物市場 / 林産物企業 / マーケティング戦略 / 森林認証製品 / 木材産業 |
Research Abstract |
はじめに、林産物マーケティング学の国際的な研究動向に関してレビューを行った。同研究分野に関して2000年以降に公表された学術研究報告(157原著論文および3著書)を包括的に探索・収集した。収集した文献を研究内容によって分類・整理した結果、同研究分野における近年の主要な研究テーマとしては、(1)林産物企業の経営戦略、(2)林産物顧客の購買行動分析、(3)林産物企業のイノベーション、(4)森林認証・ラベリング、の4つであることを明らかにした。 次に、日本林産物市場における欧米企業のマーケティング戦略について調査を実施した。欧州および北米の林産物企業を対象として、Juslin and Hansen(2002)が構築した林産物マーケティングの統合計画モデルをガイドとしたインタビューを行った。その結果、欧米の林産物企業は、(1)主に高品質・高価格製品の市場として日本をとらえていた。日本の顧客が以前よりも価格に敏感になったことに加え、近年の欧米域内での市場拡大により、日本市場の魅力が相対的に低下していた。欧米林産物企業のマーケティング戦略は、欧米域内市場の動向によって規定されるものと考えられた。 また、特に森林認証製品に注目して企業のマーケティング戦略を検討した。旧本では森林認証紙の市場が拡大していること、企業の社会的責任活動の一環として、大企業を中心に認証紙の利用が増えていること、森林認証製品に対する価格プレミアムが発生するケースは日本でも少ないことなどを明らかにした。 その他、北海道林業再生研究会の活動の一環として、北海道木材産業のマーケティング戦略について検討を行った。
|
Research Products
(4 results)