2006 Fiscal Year Annual Research Report
新たな生化学的手法を用いた周極域土壌有機物の蓄積・消失プロセスの解明
Project/Area Number |
18780120
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Research Institution | Rakuno Gakuen University |
Principal Investigator |
保原 達 酪農学園大学, 環境システム学部, 講師 (70391159)
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Keywords | 土壌有機物 / 溶存態有機物 / キャラクタリゼーション / 周極域 |
Research Abstract |
本年度は、土壌有機物の生物化学的キャラクタライゼーション手法の確立を行った。また、特に検出の難しい、中性糖やアミノ糖の分析に力を入れることとした。分析用の土壌試料は、北方生態系を代表する北方林地帯にある、アラスカ大学フェアバンクス校が所有するPoker Flat試験林のトウヒ北方林や長期生態系研究サイトのボナンザ・クリークなどから採取した。Poker Flat周辺では森林火災区から土壌表層の土壌有機物および土壌溶液を採取すると同時に、対照区からもこれらを採取した。土壌有機物のキャラクタリゼーション手法の検討においては、まず東京大学海洋研究所生元素動態研究室の小川浩史助教授から、海洋有機物に適用されている加水分解性生体分子分析法を、中性糖、アミノ糖それぞれの生体分子群について直接指導を受けた。そして、その手法を土壌用に改良するため、神戸大学農学部土壌学研究室の阿江教治教授に土壌金属の専門の立場から土壌有機物抽出時の金属除去法や生体分子精製法を協力して検討を重ねた。糖分析のため、酪農学園大学所有の高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)と電気化学検出器(ECD)により中性糖、アミノ糖が微量でも検出できるよう調整を行った。さらに、3次元電気泳動法による土壌由来溶存態有機物の分析手法についても検討を行った。そして、上記のサイトから採取した土壌有機物をこの手法で分析し、周極域土壌中の中性糖構成が植物由来のものと微生物由来のものをともに多く含んでいることが明らかとなった。
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Research Products
(3 results)