2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18780126
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Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
田中 憲蔵 独立行政法人森林総合研究所, 国際連携推進拠点, 研究員 (30414486)
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Keywords | 萌芽 / 熱帯二次林 / デンプン / 光合成 / マレーシア |
Research Abstract |
調査地と植物材料の選定:調査はマレーシアセランゴール州アイノレヒタム保護林内の二次林で行った。まず林内に60m×80mの調査プロットを作成し、毎木調査と魚眼レンズによる林内開空度の測定を行った。調査林分の樹高はおよそ15〜20mで、主な構成樹種からMacaranga属(トウダイグサ科)のM.bancana(MB)と、M.gigantea(MG)の2樹種を対象として選んだ。 萌芽特性と親株サイズの関係:プロット内の20m×40mの区画に生育している全樹木を地際から15cmの高さで伐採し、3ヵ月後に、MBとMGの2樹種の萌芽本数、萌芽枝基部直径、萌芽枝高を測定した。調査個体数はMBが20個体、MGが41個体であった。また、伐採個体(計15個体)と非伐採個体(計26個体)の根のサンプルを採取し、窒素含有量を調べた。 調査した全個体のうちMBでは約60%の個体で、MGでは約50%の個体で萌芽が見られた。一株当たりの萌芽数と萌芽重量は親株の直径が小さいクラスで大きくなる傾向が見られ、個体サイズが大きくなるほど、萌芽能力が低下すると考えられた。また、MBでは親株直径が10cm以上の個体ではほとんど萌芽が発生しなかったが、MGでは直径が20〜30cmクラスでも約1.5本の萌芽が見られ、MGのほうが大きな個体でも萌芽能力を持っていることが分かった。次に、根の窒素量と個体サイズの関係を調べたが、伐採個体、非伐採個体共に個体サイズにともなう有意な窒素量の変化は見られなかった。根の窒素量は、萌芽の成長を促進させるという報告があるが、MBとMGについてはデンプン量など他の貯蔵物質の方が萌芽の成長量に果たす役割が大きいと考えられた。
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