2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18780126
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Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
田中 憲蔵 Forestry and Forest Products Research Institute, 国際連携推進拠点, 研究員 (30414486)
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Keywords | 萌芽 / 熱帯二次林 / マレーシア / 光合成 / デンプン / マカランガ |
Research Abstract |
・二次林樹種の個体サイズと萌芽能力の変化 熱帯二次林樹木からMacaranga bancana(MB)と、gigantea(MG)の2種を選び、個体サイズにともなう萌芽能力の変化について調査した。調査はマレーシアセランゴール州の二次林で行った。二次林内に生育するMB20個体とMG41個体を地際から15cmの高さで伐採し、3カ月後と12カ月後に、萌芽本数、萌芽枝直径、萌芽枝高を測定した。伐採した個体の地際直径はMBが2〜25cm、MGが4〜46cmであった。また根のサンプルを採取し、デンプン、全糖の含有量を調べた。 調査の結果、MBでは60%の個体で、MGでは54%の個体で萌芽が見られた。一株当たりの萌芽の数と重量は地際直径が小さいクラスで大きくなり、親株サイズの増加と共に萌芽能力が低下すると考えられた。伐採前の根の乾重あたりのTNC濃度(デンプン+全糖濃度)は、両樹種とも個体サイズが小さいほど高い傾向が見られた。また、伐採後、個体サイズと共にTNC濃度と萌芽量も減少したことから、大きな個体での萌芽能力の低下は、根のTNC濃度の低下が原因であることが分かった。 ・二次林樹種と一次林樹種の葉の形態特性の比較 樹木の葉は、葉を透かしたときに葉脈が見えるタイプ(異圧葉)と見えないタイプ(等圧葉)に分けられ、この2つのタイプ間で蒸散特性など生理面にも違いがあることが分かっている。熱帯雨林樹木約250種の葉を調べてみたところ、等圧葉を持つ樹木が60%と優占していたが、二次林樹種や林冠樹種には異圧葉樹種が多いことが明らかになった。これは、二次林などの水ストレスや強光ストレスが高い環境では、異圧葉のように耐乾性が高い葉の形態を持つほうが有利なためと考えられた。
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