2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18780126
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Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
田中 憲蔵 Forestry and Forest Products Research Institute, 国際連携推進拠点, 研究員 (30414486)
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Keywords | 熱帯二次林 / 萌芽 / デンプン / TNC / Macaramga / 葉毛 / 光合成 / 水利用効率 |
Research Abstract |
・二次林樹種の萌芽と樹体内貯蔵資源 二次林樹種の萌芽量と根に蓄えられているTNC濃度(デンプン+全糖濃度)、窒素濃度を比較したところ、萌芽の成長には主にTNC量が影響しており、窒素量との相関はほとんど無いことが明らかになった。また、根全体に含まれるTNCプールサイズと萌芽量にも相関は無く、根のTNC濃度が萌芽量を決定する主要要因になっていることも明らかになった。 ・二次林樹種の葉の形態と生理生態特性 葉に生えている毛(葉毛)には、葉塩や蒸散の抑制など様々な機能がある。葉毛と葉の水利用特性の関係を明らかにするため、葉裏面に葉毛層が発達するMallotus macrostachyus(Euphorbiaceae)を対象に、陰葉と陽葉の水利用効率を比較した。調査は、マレーシアセランゴール州の二次林で行った。対象として、全天環境の5個体と、林内の5個体を選んだ。各個体の葉裏面の毛を取り除き(剥齢区)、葉毛を剥離しない部分(葉毛区)との間で、葉の水利用効率(WUE)を比較した。葉毛区の陽葉のWUEは日中、剥離区に比べ有意に高く、水ストレスが強い環墳下では、葉毛が葉の水利用効率を高める働きがあると考えられた。しかし、陰葉のWUEは、両処理区間で差が無く、水ストレスが低い条件では、葉毛が水利用効率に与える効果が小さくなると考えられた。また、陰葉の葉毛量は陽葉に比べ有意に少なく、低い水ストレス環境下では葉毛の重要性が低下すると考えられた。今後、葉毛が持つ被食防衛機能なども調べることで、熱帯二次林樹種が持つ葉毛の機能がより明らかになると期待された。
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