2006 Fiscal Year Annual Research Report
選択的リグニン分解菌が産生する脂質関連代謝物の生合成経路の解明
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18780132
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| Research Institution | Kyoto University |
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Principal Investigator |
渡邊 崇人 京都大学, 生存圏研究所, 助手 (30362403)
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| Keywords | 白色腐朽菌 / リグニン / 脂質 / 代謝物 |
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| Research Abstract |
白色腐朽菌Ceriporiopsis subvermisporaは細胞壁を侵食せずに酵素から遠く離れた場所でリグニンを高選択的に分解する.そのユニークな選択的リグニン分解機構には脂質過酸化を介したラジカル反応が中心的な役割を果たし,そこで様々な代謝物が関与しているものと考えられている.そこで今回はまず,様々な代謝物の産生が誘導される培養条件の検討を行った.その結果,本菌が産生する新規な代謝物ceriporic acid(鉄の還元を抑制することで,水酸化ラジカルの発生を間接的に抑制する)の産生を誘導する条件を見出し,GC-MSにて定量的に産生量に顕著な差が出ていることを確認した.なお,用いる培地によっては,菌体の生育が悪い場合でもceriporic acidの産生量が多い条件も存在した.脂質過酸化の基質になる不飽和脂肪酸(リノール酸などの)の生合成については,以前,クローニングに成功した不飽和脂肪酸生合成に関与する酵素(脂肪酸不飽和化酵素:delta9-fatty acid desaturase及びdelta12-fatty acid desaturase)遺伝子の転写解析を行った.明確な誘導を示す結果を得るには至らなかったが,培養期間が長くなると転写量が減少する傾向があった,一方,脂肪酸代謝の初発酵素であるacyl-CoA synthetase(ACS)の解析においては,まず最初にそのACSの基質となるacyl-CoAの検出及び定量法の確立が必要であると考え,acyl-CoAの分析法について検討を試みた.特に,菌体内のacyl-CoAについてはその分析法の他,試料の調製法なども検討する必要があることが分かった.
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