2006 Fiscal Year Annual Research Report
ヒノキ科Juniperus属の化学成分および生理活性物質の探索
Project/Area Number |
18780136
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
稲冨 由香 摂南大学, 薬学部, 助手 (00258089)
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Keywords | ヒノキ科 / Juniperus属 / 生理活性 / 化学成分 |
Research Abstract |
ヒノキ科Juniperus属植物の薬用資源としての利用を開発するため、北米オレゴン州で採集した2種J.occidentalisとJ.communis var. depressaについて含有成分の化学研究及びAGE生成阻害活性試験を行った。この2種の枝葉のメタノール抽出エキスは、糖尿病合併症治療薬の開発を目的としたAGE生成阻害活性試験において、いずれも強い活性を示している。活性本体を明らかにするため、J. communis var. depressaのメタノール抽出エキスより各種クロマトグラフィーにを用いて成分の単離を試みた結果、3種の新規化合物を含む12種の化合物を単離した。NMR、MS、CDなどスペクトルデータの詳細な解析により、それらの絶対構造を含む完全構造を決定し、既知化合物はフラボン3種、フラバン5種、ジヒドロカルコン1種であり、3種の新規化合物はフラボノイド配糖体であることを明らかにした。フラボン骨格の新規構造の報告は近年非常に少なく、3種の化合物はいずれも新規性の高いものであった。今回単離した化合物に加え、これまでに本植物から単離したフェノール性成分について、AGE生成阻害活性を測定した結果、catechinとepicatechinに非常に強い活性がみられた。また、弱いながらも活性を示した数種のフラボノイド配糖体の化学構造を考察すると、AGE生成阻害活性の強さには糖部分よりもアグリコン部分であるフラボン骨格の構造が大きく関与していることがわかった。J.occidentalisのメタノール抽出エキスからは、8種の新規アセトフェノン誘導体を含む14種の化合物を単離し、それらの化学構造を決定した。
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