2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18780151
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
荒木 亨介 日本大学, 生物資源科学部, 研究員 (30409073)
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Keywords | ギンブナ / ゼブラフィッシュ / Th1 / Th2 / T細胞 |
Research Abstract |
<Th1/Th2バランスの指標となる分子のcDNAクローニング> ヘルパーT細胞は産生するサイトカインの違いからTh1とTh2と呼ばれる異なる細胞集団に分類され、Th1が細胞性免疫能を、Th2が液性免疫能を増強させることが知られている。近年の医学や獣医学領域において、体内でのTh1/Th2のバランスを人為的に制御することで、疾病の治療や予防を目指す研究が精力的に進められている。そこで、魚類のTh1/Th2バランスの指標分子の同定を目的として、Th1、Th2の分化・誘導に重要な役割を果たす転写因子であるT-betおよびEomes遺伝子を、ゼブラフィッシュおよびギンブナより単離した。各遺伝子についてRT-PCR解析を行った結果、いずれの分子もリンパ系組織やリンパ球に発現が認められた。これらの結果から、魚類においてもこれら転写因子はリンパ球に発現して生体防御に関与していることが示唆された。 <Th1・Th2特異的細胞表面マーカー分子の探索> TIM(T-cell immunoglobulin mucin containing molecule)群は、ほ乳類のヘルパーT細胞サブセット(Th1,Th2)および成熟樹状細胞の細胞膜表面に特異的に発現する分子として最近明らかにされた分子分である。我々は魚類Th1・Th2特異的マーカー分子の探索を目的として、ゼブラフィッシュを用いてTIM遺伝子群のcDNAクローニングおよび発現解析を行った。その結果、3種類のTIM様遺伝子(TIM-LA,TIM-LB,TIM-LC)の単離に成功し、組織および細胞レベルでの発現解析によりTIM-LAおよびTIM-LB遺伝子が腎臓や脾臓などリンパ系組織や白血球で強く発現していることを明らかにした。
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Research Products
(1 results)