2006 Fiscal Year Annual Research Report
ティラピア生殖腺の性分化に関わる遺伝子の特定と機能解析
Project/Area Number |
18780155
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
井尻 成保 北海道大学, 大学院水産科学研究院, 助教授 (90425421)
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Keywords | 水産学 / 発生分化 / マイクロアレイ / ティラピア / 性分化 / 性特異的発現遺伝子 / 未分化生殖腺 |
Research Abstract |
孵化後5、6、7日目のXXまたはXYの仔魚から生殖腺を摘出し、RNAを抽出した。次に、RNAサンプルをラベルし、ティラピア仔魚生殖腺特異的cDNAマイクロアレイを用いて、性差のある遺伝子のスクリーニングを行った。候補遺伝子のうちおよそ100クローンを、孵化後5、6、7日目のXXまたはXYの生殖腺RNAをサンプルに、全てリアルタイムPCR法を用いて、それぞれのRNA発現量の性差を検定した。その結果、10遺伝子がXY生殖腺において性特異的に発現することが明らかとなった。これらの遺伝子は全て、仔魚を用いたin situ hybridization法により発現局在を調べた。その結果、XY仔魚の生殖腺において良好に発現が認められる遺伝子が特定された(#9475)。次に、5'および3'RACE法によって、#9475cDNAの全長を明らかにした。その結果、#9475はTGF-βスーパーファミリーに属する分子であり、しかも、データベース解析および分子系統樹解析から、魚類特有のTGF-βであることが判明した。以上、今年度の研究により、マイクロアレイを利用したスクリーニングと、リアルタイムPCRによる検定、およびin situ hybridizationによる局在解析から、XY仔魚未分化生殖腺において特異的に発現する新規TGF-β様分子を特定するに至った。
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