2008 Fiscal Year Annual Research Report
レンダリング産業における安全性とリサイクルの両立条件解明のための国際共同研究
Project/Area Number |
18780164
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中川 隆 Kyushu University, 大学院・農学研究院, 研究員 (10396343)
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Keywords | 安全性 / 資源循環 / BSE / レンダリング / フードシステム |
Research Abstract |
平成20年度は. 2008年10月に行った欧州(ベルギー, イタリア, ドイツ)のレンダリング産業および関連機関(欧州委員会やEFSA)の補足調査で得た資料・知見を基にして, 3年間の研究成果の取りまとめを行った。その際, 平成19年度に行った2学会(日本流通字会九州部会と食農資源経済学会)の学会報告の場で提示された疑問点やコメント, あるいは2008年3月に行ったワークショップの議論になるべく応える形で取りまとめを行った。 平成20年度の主な研究成果は下記のとおりである。 1. 市場構造上, 他の欧州諸国に比べて, 外資が参入しやすい立地条件にあるドイツのレンダリング産業では, 北部の州や地域を中心に, 多国籍企業化が進展している。畜産副産物の処理一販売を主業務とする多国籍アグリビジネス企業SARIAの経営実態を明らかにした。 2. 平成18年度に行った調査では不明瞭な点の残った「ドイツにおける牛由来肉骨粉の肥料利用実態」にういて, 北部の州においても, 2008年8月より肉骨粉の肥料利用が解禁されていることがわかった。 3. ただし, 北部の州では, 有畜農家の肉骨粉の肥料利用は許可されていない。2度の実態調査がら, 連邦制を敷くドイツでは, 州や地域により畜産副産物の利用範囲も異なるものと考えられた。 4. 多国籍企業化に伴い, ドイツのレンダリング産業では, 工場規模の大規模化が進んでいる.EUおよび国内の畜産副産物規則に対応すべく構造再編が行われてきたわけであるが. これは我が国にとって非常に示唆的な動向である。ドイツの教訓から. 学ぶとともに, 我が国産業の産業特性に起因する合理化の阻害要因を丁寧に見極めることが今後重要であろう。
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