2008 Fiscal Year Annual Research Report
食品安全性に対する消費者の多様な選択ルールとその変容過程に関する実証的研究
Project/Area Number |
18780177
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
岩本 博幸 Tokyo University of Agriculture, 国際食料情報学部, 准教授 (90377127)
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Keywords | 農業経済学 / 農林水産物 / 食品安全性 / 消費者評価分析 / 表明選好法 |
Research Abstract |
本年度の課題は、平成18年度に実施した牛肉の放射線殺菌処理技術に対する消費者受容に関する調査結果において、非補償型選択ルールが強く消費者に意識された結果が得られたことをふまえ、非補償型選択ルールの表出が少ないと予想される低カロリー米のネット販売に関してプレ調査を実施した結果の検討を行い、本調査を実施・分析することにあった。 低カロリー米の消費者選択行動に関するプレ調査データは、インターネットリサーチによる選択実験を利用して収集した。評価対象財を米とし、産地銘柄、価格の属性に加えて仮想的な「低カロリー」属性を設定した。プレ調査データを分析した結果、仮想的な「低カロリー」属性についてポジティブな評価とネガティブな評価が同時に存在している可能性があることが示唆された。一方、「低カロリー」属性に関する情報量が十分とはいえなかったことも示唆された。そこで、本年度はプレテストと同様のインターネットリサーチのフレームワークを適用しつつも、「低カロリー」属性に関する解説などの改善を試みた。分析の結果、プレ調査と同様に「低カロリー」属性をポジティブに評価する回答者とネガティブに評価する回答者が存在していることが示唆されたが、「低カロリー」属性が付加された商品を選択しつづける非補償型選択ルールをもつ回答者だけでなく、「低カロリー」属性が付加された商品を避ける非補償型選択ルールをもつ回答者の存在も示唆された。
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