2006 Fiscal Year Annual Research Report
農村他出子弟の農村地域資源保全への参与条件に関する研究
Project/Area Number |
18780178
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
芦田 敏文 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農村工学研究所・農村計画部, 研究員 (70414448)
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Keywords | 地域資源保全 / 他出子弟 / 帰省 / 農作業手伝い |
Research Abstract |
本研究では,農村の地域資源保全に農村外部から参与する主体として,当該農村の出身者である他出子弟に注目している。全国の他出あとつぎの3人に1人以上が実家の自家農業に従事しており(農林業センサス(1995年)),かつ,他出あとつぎの自家農業への従事傾向は強まっている(1990年から1995年の動向)。本年度は,統計資料ならびに平成17年度実施のアンケート調査の分析によって,他出子弟の存在実態ならびに彼らの農作業従事実態を明らかにするとともに,調査事例地域の選定ならびに次年度以降の調査設計を目的とした,農家ヒアリング調査を全国数地域において実施した。 農業あとつぎ形態別の農家割合を農業地域別にみると,あとつぎ不在農家割合が半数を超える北海道,同居あとつぎ農家割合が高い南関東・東海・北陸・東北・北関東,全国のなかで他出あとつぎ農家割合が相対的に高い割合を示す中国・四国・山陰,同居あとつぎ農家割合が全国でもっとも低く他出あとつぎ農家割合が全国でもっとも高い南九州,という地域性がある。一方,他出あとつぎの自家農業への従事割合では,山陽・近畿・東山で高く,北海道・東北・南関東で低いという地域性がある。 アンケート調査の分析から,茨城県北部の調査地域における,他出子弟の農村への帰省ならびに自家農業手伝いの実態を明らかにし,他出子弟の年齢・居住地・世帯主との続柄,実家の家族構成など,他出子弟の農村関与行動に影響する要因を析出した。 平成19年度以降は,農村に居住する農家側が他出子弟に対して期待する役割・支援の内容,ならびにその内容に対する他出子弟側の対応意向について,複数地域における事例調査により分析する。
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Research Products
(1 results)