2008 Fiscal Year Annual Research Report
ダムの劣化における安全・安心のための破壊解析手法に対する検討
Project/Area Number |
18780183
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
西山 竜朗 Ehime University, 農学部, 准教授 (30294440)
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Keywords | 農業工学 / 地盤工学 / 地質工学 / 土木材料 / 解析・評価 / 国際研究者交流 / イタリア : オーストラリア |
Research Abstract |
長期の供用を経てきたダムでは「劣化の現状が危険に対してどのような位置付けにあるのか」すなわち進行性破壊の機構を十分に知った上での判断が必要である。本研究では、既設ダムの劣化による危険有無の判定を目的とし、数値解析を援用しながら、経験的に知られている破壊機構に矛盾することのない、実用的な解析手法を確立しようとした。本年度の成果は次の通りである。 1. 前年度までに開発した、進行性破壊の機構を知ることを目的とした破壊解析プログラムによって得られた成果を発表した。その内容は、岩盤を想定した脆性材料の直接せん断について、支持力のピーク発現までの過程を再現するというものである。また、上記成果の根幹をなす数値計算手法に関して、共同研究者(イタリア国)と打合せを行った。さらに、同成果について、共同研究者(オーストラリア国)と研究討議を行った。 2. 上記成果の根幹をなす数値計算において、計算対象とし得る条件の拡大を図った。すなわち、ここで解析対象としている材料の直接せん断においては拘束圧による破壊機構の相違が現れるため、タイプが異なる破壊機構を同じ手法によって単純に解析する点に困難を伴うが、本年度においては考慮すべき全ケースに対して妥当な解析を実現するに至った。また、その過程では、計算環境等に配慮したプログラムの一般化を図った。 3. 実用のための解析手法として、上記の破壊解析手法とは別に、古典的手法を含む斜面安定解析手法に対する検討を行った。特に、実用における計算過程での仮置きの物性値の位置付けに注目し、実用に耐える計算手法がどのようなものであるかを検討した。
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Research Products
(2 results)