Research Abstract |
土の圧密係数決定法に関する一考察 Robinson and Allamによるlog t法に基づいた修正log t法,Mesri et al.による対数時間表示した圧密曲線における変曲点を評価する変曲点法,Feng and Leeによる√<t>法を単純化した簡略,√<t>法および√<t>法から求まる圧密係数,一次圧密量,初期補正値について比較検討した結果を報告した.その結果,簡略,√<t>法は,√<t>法による値とほぼ一致した.また,修正log t法や変曲点法を使用して各値を求める場合,初期補正値の決定方法に留意する必要があることが分かった. 非線形最小二乗法を用いた土の圧密係数決定法 非線形最小二乗法を用い一次元圧密理論式を圧密量一時間曲線にフィッティングすることによって同定されたパラメータから求まる圧密係数について検討した.この方法は,従来の方法と同様に初期補正値,一次圧密量も算定することができ,圧密理論曲線と実験曲線との分離点を明確に決定できるとともに,従来法と比較して自動処理化に適している.本方法から求まる圧密係数は,log t法による圧密係数より大きく,√<t>法による圧密係数と同程度の値を示した.また,一次圧密量および初期補正値も,√<t>法と同等の値を示したことから,提案方法は従来の方法に比肩する精度を有していることが認められた. 実測値に基づく長期残留沈下予測 現場計測に基づく将来沈下予測手法として,非線形最小二乗法(Levenberg-Marquadt法)を用いて数式モデルのパラメータを同定し,室内長期圧密試験データの沈下予測を行った.パラメータ同定に使用するデータにおいて,二次圧密挙動に関して十分な情報がある場合,沈下予測値は実測値と比較的良い一致を示したが,二次圧密の情報が不十分である場合,大きめの沈下量を算出する結果となった.また,同定されたパラメータは同定区間の違いによって増減し,過圧密,正規圧密領域によってその変動が異なることが分かった.
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