2006 Fiscal Year Annual Research Report
ブタ卵成熟過程におけるヒアルロン酸ーCD44のCx43調節機構の解析
Project/Area Number |
18780209
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
横尾 正樹 東北大学, 先進医工学研究機構, 助手 (10396541)
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Keywords | ブタ / 卵成熟 / 卵丘膨化 / ヒアルロン酸 / ギャップジャンクション / CD44 / Cx43 / 卵子 |
Research Abstract |
これまでに,ブタ卵成熟過程の卵丘膨化時におけるヒアルロン酸の作用が卵成熟誘起に重要な役割を果たしていることを明らかにした。さらに,ヒアルロン酸の受容体であるCD44は卵丘細胞では発現するが,卵子では発現しないことも明らかにしている。したがって,ヒアルロン酸による卵成熟誘起作用は卵丘細胞を介して機能していることが推察される。そこで,これらの研究成果を基に,ブタ卵成熟誘起機構におけるヒアルロン酸-CD44の作用機序について,特に,卵丘細胞-卵子複合体(COC)のギャップジャンクション機能に着目して解析を行った。解析の結果,ヒアルロン酸-CD44は,Cx43のチロシンリン酸化の誘導,卵成熟過程で観察される卵子内cAMP濃度の減少に関与していることが示された。また,これがきっかけとなり卵子内成熟促進因子(MPF)活性の上昇および減数分裂再開を引き起こすことを明らかにした。さらに,蛍光試薬によるトレース実験で調べた結果,ヒアルロン酸-CD44はCOCギャップジャンクションを閉鎖させていることが示された。以上の結果から,卵成熟過程におけるヒアルロン酸-CD44は,COCギャップジャンクションを閉鎖させることで卵成熟(減数分裂再開)を誘起することを明らかにした。今後,ヒアルロン酸-CD44によるギャップジャンクション閉鎖作用の詳細な作用機序を解析する予定である。
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