2006 Fiscal Year Annual Research Report
成長ホルモン受容体欠損鶏をもちいた成長ホルモン機能の網羅的解明
Project/Area Number |
18780211
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
塚田 光 名古屋大学, 大学院生命農学研究科, 助手 (20343212)
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Keywords | 応用動物 / 畜産学 / シグナル伝達 / 生理学 / 細胞・組織 / 成長ホルモン / 成長ホルモン受容体 / インスリン様成長因子結合蛋白質 |
Research Abstract |
日本に存在する矮性品種であるGH-R欠損鶏を探索・同定する。育種選抜によって特化された品種(遺伝資源)である矮性鶏(GH-R欠損系)をもちい、鳥類の成長の分子メカニズム(成長ホルモン依存的に発現する遺伝子の探索、これにより成長ホルモンの個体・各器官における作用解明のブレークスルーになる)、成長ホルモン作用機序(ニワトリGH細胞内シグナル伝達系の解明)を明らかにするため以下の問題点を明らかにしつつある。 1)成長ホルモン受容体(GH-R)欠損型矮性品種の同定;ニワトリにおける矮性品種はいくつか報告されている。その中でもGH-R欠損品種は、体が小さく、足が短い、腹腔内脂肪の蓄積が多いなど古くからその存在が知られていた。現在、3品種のGHR遺伝子異常系統が同定され2つのタイプのGHR異常が同定された。 2)成長ホルモン依存的に発現する遺伝子の探索;GHは個体の成長や、細胞の増殖を促進すること、骨端の成長、血糖の代謝、脂肪蓄積、タンパク質合成などに関与することが畜産動物などの研究から示唆されているがそのメカニズムは未だに明確にされていない。そこでGH-R欠損鶏をもちいGHの標的器官である肝臓における遺伝子発現動態を網羅的に探索し(サブトラクション法)。複数の遺伝子を同定した。すでに鳥類や哺乳類で報告のあるものも含まれている。新規の遺伝子も複数同定され今後の新規GH機能解明が大いに期待できる。 3)GH細胞内シグナル伝達系の解明;鳥類のGH-GH-R細胞内シグナル伝達系は未だ明らかでない。現在GH依存的とされている遺伝子をもちいて、肝細胞の初代細胞培養系をもちいた発現の誘導に成功し、ルシフェラーゼ解析、クロマチン免疫沈降法、ゲルシフト解析をもちい、細胞内分子シグナル伝達系におけるシスエレメントの同定に成功した。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Lack of functional growth hormone receptor in three strains of sex-linked dwarf chicken2007
Author(s)
Tsukada, A., Tahara, K., Tanaka, M., Ohkubo, T., Saito, N., Shimada, K.
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Journal Title
Asian Pacific Poultry Conference 8
Pages: 340-341
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