2006 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内アダプター蛋白質Dab1によるニューロンの位置決定機構の解析
Project/Area Number |
18780222
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
守村 敏史 独立行政法人理化学研究所, 細胞培養技術肺発チーム, 研究員 (20333338)
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Keywords | Dab1 / Reelin / ニューロン / チロシンリン酸化 / Srcファミリーチロシンキナーゼ / endocytosis / 核移行 / 転写因子 |
Research Abstract |
細胞外マトリックス蛋白質Reelinは、大脳皮質の最外層に位置するCajal-Retzius細胞より分泌される。Reelinは、移動中の未熟ニューロン上のReelin受容体を介し、細胞内アダプター蛋白質Dab1のSrcファミリーチロシンキナーゼによるチロシンリン酸化を誘導する事により、ニューロンの位置を決定している。これまで私は、Dab1はReelin受容体の細胞表面への輸送を両者の結合依存的に促進する事、ReelinによるDab1のチロシンリン酸化はReelin受容体のendocytosisに必須である事、Dab1はReelin受容体のendcytosis後受容体から解離する事を報告した。今年度私は、Reelin刺激後のDab1の細胞内局在に注目して、1)Dab1は機能的な核移行シグナル及び核外排出シグナルを有している事、2)Dab1はReelin刺激の有無にかかわらず核に存在するが、Reelinはチロシンリン酸化Dab1の細胞膜から核への移行を促進する事、3)Dab1は、直接或は間接的にDNAに会合し、転写活性化因子と協調して、ニューロンの移動の維持に必須であると予想される遺伝子発現を誘導することにより、ニューロンの移動を維持する事、4)転写活性化因子とDab1との結合は、Dab1のチロシンリン酸化により抑制されることから、Reelin刺激後核内で増加したチロシンリン酸化型Dab1は転写非活性化型として働き、ニューロンの移動を抑制する事、以上4点を明らかにした。
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