2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18780233
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
高木 哲 Hokkaido University, 大学院・獣医学研究科, 助教 (50396305)
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Keywords | 骨肉腫 / 肺転移 / 腫瘍 |
Research Abstract |
骨肉腫に対する抗腫瘍療法としての周術期の抗がん剤治療投与法についてマウスによる腫瘍移植モデルを用いて検討したところ、術前化学療法が術後化学療法よりも明らかに有効であることを示す成果は得られなかったが、血管新生阻害剤の投与によって、有意に安楽死時の肺の湿潤重量が軽くなり、肺転移を制御することが可能であることが明らかとなった。 本研究により従来の抗がん剤を用いた化学療法に加え、血管新生の抑制を主たる目的とした低用量による持続的な(メトロノーム)化学療法が実際の骨肉腫症例においても有用である可能性が示された。その際、症例によって感受性は異なるが、従来使用されている白金系抗がん剤やドキソルビシン以外にビンブラスチンが有効である可能性がin vitroの抗がん剤感受性試験の結果より示された。 残念ながら臨床例は些少でまとまったデータとして示すに至らなかった。実際の有効性を評価するためには長期の臨床データを蓄積する必要はあるが、犬においてきわめて悪性で予後の悪い腫瘍に対する延命のための方法として検討する価値はあると思われた。今回使用した血管新生阻害剤は皮下接種では膿瘍形成を起こし、点滴では投与時間がかかるため実際の使用はあまり現実的ではないが、新たな薬剤や現在使用されている薬剤の低用量投与により改善できると思われた。
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Research Products
(3 results)