2006 Fiscal Year Annual Research Report
ラミニン-5の活性部位由来の合成ペプチドを用いた角膜創傷治癒薬の開発
Project/Area Number |
18780234
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
百田 豊 岩手大学, 農学部, 助手 (50418612)
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Keywords | 再生医学 / 生理活性 / 糖鎖 / 生体分子 / 臨床 |
Research Abstract |
1.角膜上皮細胞に生理活性機能のあるラミニン-5分子内の活性ドメインの解析:ラミニンα3鎖のC末端にあるGドメインにはLG1〜LG5の5つのモジュールが存在し、生体内ではLG4-5モジュールが切り離されており、その意義が注目されている。本年度は、これまで明らかにされてきた各subtypeのLG4の活性配列を用いて、角膜上皮細胞における細胞遊走活性が生じるのか検討した。具体的には、ラミニンα1鎖LG4由来の活性ペプチドであるAG73の角膜上皮細胞に対する接着活性がヘパリン依存性なのを、インテグリンとの結合はEDTAとを用いて行い、ヘパリンとの結合活性はヘパリンの添加による阻害実験により確認した。そして、AG73ペプチドを30mg/mgの濃度で培養液に添加し金コロイドアッセイを行った。また、正常角膜上皮細胞のモデルとして、ウサギ角膜上皮由来の不死化Cell LineであるRCE cellと、同じくヒト角膜上皮由来のHCE cellをアッセイに用いた。 2.合成ペプチドによる網羅的スクリーニングにより活性アミノ酸配列の同定:約200アミノ酸の活性ドメインをカバーする12アミノ酸から成る合成ペプチドは準備した。各ペプチドをウェルに固定し、培養角膜上皮細胞の接着活性を評価した。そのなかで、ヘパリン接着活性部位であることをすでに証明済みであるA3G76が、培養角膜細胞においても生理活性ペプチドであることを同定した。 3.活性Gドメインの活性部位の合成ペプチドを用いて、培養角膜上皮の細胞遊走活性とその遊走機構の評価:細胞遊走は角膜上皮化に必須の生理機能であることから、培養角膜上皮細胞の細胞遊走活性は金コロイド・アッセイとボイデン・チャンバー法による評価とマトリックス・メタロプロテアーゼ産生の評価、および相関性を検討を現在行っている。
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