2006 Fiscal Year Annual Research Report
犬遺伝性グルタミン酸輸送体欠損症の分子基盤とその臨床的意義
Project/Area Number |
18780237
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
佐藤 耕太 北海道大学, 大学院獣医学研究科, 助教授 (50283974)
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Keywords | グルタミン酸 / トランスポーター / 赤血球 / 脳 / 細胞膜 / GLAST / 遺伝 / 犬 |
Research Abstract |
犬の遺伝性GLAST型グルタミン酸輸送体欠損症の原因と考えられるG492S変異について、この変異による欠損の分子メカニズムを明らかにするために、モデル細胞系として、GLASTを発現する赤芽球細胞株の確立を行った。赤芽球への有効な遺伝子導入を行うため、N末端GFPタグ融合GLASTをコードするレトロウイルスベクターを野生型およびG492S変異GLASTの両者について作製した。これらをK562赤芽球細胞株に導入したところ、高効率に安定発現株が得られ、大遺伝性赤血球GLAST欠損症の細胞モデル系が確立できたものと考えられた。この細胞内でGLASTは野生型、変異型ともに主に細胞膜に分布し、ライソゾームにも一定量の蓄積が認められた。このことは、GLASTが細胞表面に発現したのち細胞内にとりこまれ一部はライソゾームで分解を受けていることを示している。これらの細胞について共焦点顕微鏡下で培養し経時的に観察を行ったところ、両者の間に差異は見られず、定常状態では発現動態は同様と考えられた。また、これらの細胞を赤芽球への分化誘導剤である酪酸で処理した場合にも大きな差異は見られなかった。このことから、G492Sによる赤血球GLAST発現量の低下の機序を明らかにするためには、GLASTと他因子との相互作用を検討する必要があると考えられた。 また、G492S変異が存在するGLAST C末端領域について、他因子との相互作用を確認するために、GST融合GLAST-C末端組換蛋白質を大腸菌発現系を用いて作製した。今後、これをプローブに大赤血球膜蛋白質との結合を解析する予定である。
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Research Products
(2 results)