2006 Fiscal Year Annual Research Report
アンチセンス遺伝子Tsixによるクロマチン構造初期化の研究
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18780250
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
柴田 進和 金沢大学, 医学系研究科, 助手 (40372487)
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Keywords | X染色体不活性化 / エピジェネティックス / ヒストンメチル化 / アンチセンス遺伝子 / Xist / Tsix / ポリコーム / Eed |
Research Abstract |
(1)コンディショナルTsix発現細胞の樹立と解析: テトラサイクリン依存性コンディショナルプロモータ(TRE)をTsix遺伝子中にノックインしたES細胞株を複数樹立し解析を行った(国立国際医療センター升井伸治博士との共同研究)。その結果、全ての細胞株でテトラサイクリンの有無にかかわらずTsix発現の持続が見られ、コンディショナルにTsix発現をコントロールするという初期の目的が達成されていないことが判明した。TRE単体をノックインした細胞や転写安定化のためTREとβ-globin intronからなるミニコンストラクトをノックインした細胞、また雄ES,雌ES,フィーダー非依存性ES細胞でも同様の結果であったため、Tsix遺伝子中ノックイン部位のクロマチン構造がTREによる制御に非許容性であるのではないかと考え、現在別のストラテジーを模索している。 (2)Tsix遺伝子転写によるヒストンH3トリメチルリジン27(H3-3mK27)修飾抑制の意義の解明: Tsix転写をトラップしたES細胞ではその部位のH3-3mK27修飾が上昇していることを発見し論文を投稿していたが、このヒストン修飾変化の生物学的意義を明らかにせよとのレフェリーの指摘を受け、EedノックアウトES細胞を用いて現在解析を実施中である(Anton Wutz博士,Research Institute of Molecular Pathology, Austriaとの共同研究)。
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