2006 Fiscal Year Annual Research Report
花色安定化に関わる高次アントシアニン形成機構の解明
Project/Area Number |
18789005
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Research Category |
Grant-in-Aid for Special Purposes
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Research Institution | Iwate Biotechnology Research Center |
Principal Investigator |
中塚 貴司 財団法人岩手生物工学研究センター, 遺伝子工学第2研究部, 研究員 (60435576)
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Keywords | アントシアニン / リンドウ / 花色 / アントシアニン5位配糖化酵素 / 5GT / 修飾酵素 / ゲンチオデルフィン / 形質転換体 |
Research Abstract |
リンドウ花弁にはゲンチオデルフィンと呼ばれる特有の高次アントシアニンが蓄積している。この生合成経路の鍵酵素の5GTの単離を試みた。リンドウ花弁における5GT活性を測定したところ、開花直前に著しく活性が増加することが示された。そこで既知に報告のある他植物の5GT遺伝子情報から縮重プライマーを設計し、開花直前花弁cDNAをテンプレートにPCRを行い、増幅断片を得た。7種類の遺伝子断片(Gt5GT1-7)を獲得し、遺伝子発現解析から3つの5GT候補遺伝子(Gt5GT1,2,7)に絞り込んだ。これらの遺伝子を大腸菌発現系を用いて組換えタンパク質を合成し、フラボノイド色素に対する酵素活性を測定した。Gt5GT7組換えタンパク質は、アントシアニン3配糖体に対して特異的に5位の配糖化を示し、特にデルフィニジン3配糖体に対して高い活性を示した。リンドウ花弁色素は、おもにデルフィニジン骨格の色素が蓄積しており、今回のGt5GT7の基質特異性は矛盾がないと考えられる。既知の5GTはシアニジン派生物に高い活性を示したのに対し、リンドウめ5GT遺伝子はデルフィニジン派生物に対して高い活性を示しており、花色改変について安定な青花作出等で他植物種由来の5GTとは異なる利用が可能になると考えられる。 また、アントシアニン生合成酵素の複合体形成を調査するために、無細胞発現系や酵母発現系による各生合成構造タンパクの合成に成功している。 今回単離したリンドウ5GT遺伝子の更なる機能解析を行うために、リンドウにおいて5GT遺伝子の抑制や、5位を配糖化したアントシアニンを蓄積していないタバコにだいて過剰発現した形質転換の作出を実施している。
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