2008 Fiscal Year Annual Research Report
ブドウの着色に関連したmyb様遺伝子のプロモーター解析
Project/Area Number |
18789006
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Research Institution | National Agricultural Research Organization |
Principal Investigator |
児下 佳子 National Agricultural Research Organization, 果樹研究所・ブドウ・カキ研究チーム, 主任研究員 (70355444)
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Keywords | Myb / ブドウ / 果皮 / アントシアニン |
Research Abstract |
植物のアントシアニン生合成系酵素遺伝子の発現はMyb様転写因子遺伝子によって制御されている。ブドウの黒紫色、あるいは赤色品種の果皮色もアントシアニン色素が合成・蓄積すると発現し、Myb様転写因子による制御を受けている。ブドウの着色は、糖、光、アブシシン酸(ABA)などの影響を受ける。なかでもABA処理によりアントシアニン合成が促進すること、着色開始期のABA含量は急激に高まること等から、ABAとアントシアニン合成との関連が示唆されており、ABAからのシグナルがブドウ果皮の着色の鍵を握ると考えられている。しかしその全容は不明な部分が多く、ABAによるMyb様遺伝子発現の制御機構なども含めてブドウの着色機構が解明されれば、ブドウの着色機構の全体像が解明されると予想される。したがって、これらを解明するために、ブドウ黒色品種'ピノ・ノワール'から単離したVvmybA1遺伝子を用いてプロモーター解析を行った。 平成20年度は19年度の追試を行った。すなわちVvmybA1遺伝子の発現に重要な役割を担う領域を特定するため、白色ブドウ2品種を用いて解析を行った。 その結果、ABAの有無にかかわらず、アントシアニン合成に不可欠な領域はVvmybA1遺伝子5´上流約0.7kbp〜10bpの間にあると特定され、この結果は平成19年度の結果と一致した。一方、ABA受容体からのシグナルが結合し、VvmybA1の転写を促進すると思われる領域については、平成19年度の結果と異なったため、確実に特定するに至らなかった。
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