2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18790009
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
土肥 寿文 Osaka University, 薬学研究科, 助手 (50423116)
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Keywords | 有機ヨウ素 / 酸化 / リサイクル / 環境対応 / 有機触媒 / 構造・機能材料 / 複素環化合物 / 選択的合成 |
Research Abstract |
本年度は重金属酸化剤と類似の反応性を示す緩和で毒性の少ない超原子価ヨウ素化合物を利用する新規反応やグリーンケミストリーを志向した有機合成の開発、および新規化合物の設計などの広範な化学的利用についての研究を行った。 1.Phenyliodine bis(trifluoroacetate)(PIFA)の新たな反応性として、電子豊富なヘテロ芳香族化合物の一電子酸化を鍵とする、官能基化を経ない直接的な新規炭素求核種導入反応を開発した。活性化剤であるルイス酸の選択によりBF_3存在下においてはヘテロ芳香族シアニド類を、TMSBrやTMSOTf存在下では染料やポルフィリン、有機材料に見られるヘテロ芳香族2量化体を直接合成することができた。また、BrΦnsted酸を用いた際にヘテロ芳香族-芳香族ヨードニウム塩が効果的に生成することを見出した。 2.有機溶媒を用いず、生成物の単離が容易な水中での反応はクリーンかつ実用的な反応の一つである。水中-無機塩での活性化法を利用したベンジル位などの比較的不活性な炭素-水素結合の直接的官能基化法を開発した。 3.超原子価ヨウ素反応剤の有効活用法として、前年度に見出した触媒的利用法をさらに改良し、強酸を用いる必要のない緩和な条件下での触媒系の構築に成功した。本法を応用し、生物活性天然物の有用前駆体である含窒素スピロ化合物の実用的合成法を達成した。 4.上記1-3の研究に独自に開発した多点型リサイクル反応剤を組み込み、環境対応型の合成反応へと改良を行った。また、多点型リサイクル反応剤の合成の際に以前に開発した方法を応用し、不斉酸化反応に有望な新規キラル化合物の合成に成功した。
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Research Products
(9 results)