2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18790016
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Research Institution | Meiji Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
野地 匡裕 Meiji Pharmaceutical University, 薬学部, 助教 (80312073)
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Keywords | プロキラルカルボカチオン / 1,3-ケトエステル / ジアステレオ面選択的反応 / 希士類トリフラート / ハフニウムトリフラート / イオン性液体 / ジアステレオ選択性制御 / 置換基効果 |
Research Abstract |
1-(4-methoxyphenyl) ethanolとt-ブチル基を持つケトエステルの反応は、Hf(OTf)_4やTfOH触媒の反応で(RS, SR)体を与え、Yb(OTf)_3触媒で(RS, RS)体を与える。この触媒による選択性の逆転現象の解明と共に、プロキラルベンジル型カチオンとエノール型求核剤の反応における、ジアステレオ選択性の制御を目的に研究を行った。 光学活性アルコールを用いた同様の検討では、生成物はラセミ体であった。このことから反応はカチオン経由であることが改めて支持された。 1-(4-dimethyaminophenyl) ethanolの反応では、希土類トリフラート、Hf(OTf)_4、TfOH触媒のいずれの反応でも40-66%deで(RS, RS)体を与えた。1-(4-methyphenyl) ethanolの反応では、希土類トリフラート、Hf(OTf)_4、TfOH触媒のいずれの反応でも20-57%deで逆のジアステレオマーの(RS, SR)体を与えた。ジアステレオマーを単離後、反応条件下に付しても、異性化はほぼ見られなかった。これにより反応の選択性は速度論的支配であると考えられた。反応点から遠い置換基が選択性の逆転を起こす理由は検討中である。 1-(4-methoxyphenyl) ethanolと、求核剤としてt-ブチル基を持つケトアミドを用いた検討も行った。Hf(OTf)_4を用いた場合は(RS, RS)体を与えた。この反応では反応初期と終期で選択性に違いがみられた。熱力学的に安定なジアステレオマーへの異性化が示唆された。 Yb触媒を用いた検討において、各種ジカルボニル化合物を2座配位子として添加する実験を行った。選択性への影響はわずかであり、多座配位子の検討が望まれる。
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