2006 Fiscal Year Annual Research Report
コールドスプレーイオン化法を用いた反応追跡システムの開発
Project/Area Number |
18790019
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Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
清 悦久 徳島文理大学, 香川薬学部, 助手 (40389177)
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Keywords | 質量分析装置 / ESI / 反応中間体 / 反応追跡 / CSI |
Research Abstract |
反応追跡システムの構築 本研究は反応容器内で進行している反応溶液を連続的に取り出し、質量分析装置を用いて解析を行うことにより、反応の進行状態が直接的に反映するシステムの構築が目的である。質量分析装置を選んだ理由としては、反応溶液をそのまま取り込むことが出来、加えて高感度であるため、必要となる試料溶液も少量で済むためである。ここで反応容器と質量分析装置との接続を考えた場合、距離は短く、経路になにも接続しないことが理想である。これらの条件を検討し、新しい試料導入法(Reaction Tracking System:以下RTS)を開発した。通常質量分析に試料を送るためにはシリンジポンプや液体クロマトグラフィーのポンプを用いて導入するが本システムは大気圧下にあるイオン源内部をポンプにより減圧することで試料を引き入れる方法を採用した。これにより反応容器と質量分析装置間とをピークチューブを接続するだけで試料を流すことが可能となった。しかしこのままではどの程度試料が流れているかわからないため、必要に応じて反応経路に流速計を用いることにより流量の確認を取れるように改良した。 反応中間体の捕捉 RTSの評価測定としてMorita-Baylis-Hillman反応を行った。この反応は近年注目されており、また反応中間体が明確で、かつ、安定に存在している。さらに反応が比較的遅く、RTSの評価には最適な反応である。実際に測定を行ったところ2種類の反応中間体を捕らえることが出来た。またイオン強度の変化などから反応過程を追跡することが可能であることが証明された。
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