2007 Fiscal Year Annual Research Report
コールドスプレーイオン化法を用いた反応追跡システムの開発
Project/Area Number |
18790019
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Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
清 悦久 Tokushima Bunri University, 香川薬学部, 助手 (40389177)
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Keywords | 質量分析装置 / ESI / 反応中間体 / 反応追跡 / CSI |
Research Abstract |
反応追跡システムの検証および応用 平成18年度に構築した質量分析装置による反応追跡システムは、通常大気圧化にあるイオン源部を小型真空ポンプにより減圧することで、ピークチューブで結合された反応容器中の溶液を質量分析装置に引き込み、そのまま測定が出来る画期的なシステムである。この試料輸送方法は有機反応の連続測定や様々な形で応用出来ることが判明した為、その基礎データを取ることとした。 流速 ピークチューブ(1/32×0.07×12inch)を質量分析装置と水溶液の入った試料容器とを接合し、途中経路に流速計を置き流速を測定したところ8.2μ1/minであった。この速度は質量分析装置がシリンジポンプを用いて測定する時とほぼ同じ流速である。また減圧等を調整することで流速を制御できると考える。 感度 感度は質量分析装置のみならず、すべての分析機器に必要な要素である。本システムを用いてのハイスループットスクリーニングを検討するにあたり、感度の影響を調査した。本システムにより試料を送る場合は、シリンジポンプによる試料の輸送に比べ約1/10倍であることが判明した。これはイオンの小型ポンプとの接続部が試料の噴霧される位置の真下となり、イオン化された試料が、ポンプに引き込まれているためである。今後ポンプ接続部の変更や、イオンが流れやすいように工夫するなど改善が必要となる。 スルホンアミド生成反応の観測 スルホンアミドの生成反応を本システムにより観測した。連続観測を行った結果、空気中の水分が反応溶液に溶け込み様々な会合体が反応溶液中に存在することが判明した。この結果より窒素雰囲気化、また脱水溶媒を用いることで反応の収率、時間の効率が上がることが示唆された。今後様々な反応やスクリーニング等へ応用し、迅速な解析が可能なシステムへの改良を続けることとする。
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Research Products
(3 results)