2006 Fiscal Year Annual Research Report
ファージディスプレイ法によるメタロ-β-ラクタマーゼのペプチド阻害剤の網羅的探索
Project/Area Number |
18790028
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
山口 佳宏 熊本大学, 環境安全センター, 助教授 (10363524)
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Keywords | ファージディスプレイ / ペプチド阻害剤の探索 / メタロ-β-ラクタマーゼ / β-ラクタム剤加水分解酵素 / 複核Zn酵素 / X線結晶構造解析 / 速度論的解析 / 熱力学的解析 |
Research Abstract |
メタロ-β-ラクタマーゼ(MBL)であるIMP、VIMは、活性中心にZn(II)イオンを含み、感染症治療で最も汎用されているβ-ラクタム剤を加水分解することで、細菌感染症治療を困難にさせる酵素である。しかしMBL阻害剤は未だ臨床に無く、その阻害剤開発が急がれている。 本研究は、毒性が低いと考えられるペプチドを基盤としたIMPおよびVIMのリード化合物を網羅的に探索することで、迅速かつ定量的に阻害剤開発を行うことが目的である。 平成18年度は、MBLであるVIM-2の大量発現系の構築を行った。MBLであるIMP-1の大量発現系は確立している。VIM-2はクローニングされた際にベクターに存在していたownプロモータで発現させているため、酵素発現量が多くなく、非常に酵素精製に手間がかかる。しかし、VIM-2遺伝子を大量発現系ベクターに組み込むとうまく発現しないことがわかった。これはVIM-2のフォールディングに問題があると考えられた。そこで平成19年度は、効率よくVIM-2を大量に精製できるシステムを構築するために、アフィニティーカラムを利用した精製系やコールドショックによる発現系の構築を行う。 またファージディスプレイは、ペプチド直鎖型とペプチド湾曲型を考案している。ペプチド湾曲型は、ペプチド鎖の両端にシステインを導入する。ペプチド直鎖型はペプチド湾曲型に比べると、自由度が大きいことが予想されるため、ペプチド湾曲型のランダムペプチドをファージに提示させ、IMP-1およびVIM-2に対して結合できるペプチド鎖の探索を検討している。
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