2007 Fiscal Year Annual Research Report
生薬成分ノビレチン誘導体の記憶・学習障害改善効果における構造活性相関研究
Project/Area Number |
18790040
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中島 晶 Tohoku University, 大学院・薬学研究科, 助教 (20419237)
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Keywords | 記憶・学習 / 構造活性相関 / ノビレチン |
Research Abstract |
PC12D細胞においてNobiletinよりも強力なERK/CREBシグナル伝達活性を有する事が明らかとなっている Nobiletin誘導体G010について、初代培養海馬神経細胞におけるPKA/ERK/CREBシグナル伝達活性の検討を行った。G010は初代培養海馬神経細胞において、濃度依存的に記憶・学習に重要なシグナル分子であるPKA基質、ERKおよびCREBのリン酸化を促進した。また、G010は初代培養海馬神経細胞においてCRE依存的転写活性を促進した。さらに、G010はβアミロイドペプチド(Aβ)によるグルタミン酸誘発性PKA基質およびCREB活性化の阻害を顕著に改善した。 さらに、G010(50 mg/kg, i.p.)をddY系雄性マウスに一週間連続投与する事により、MK-801誘発性恐怖記憶・学習障害にたいして50-70%程度の改善効果が見られた。また、恐怖条件付け試験訓練1時間後の海馬サンプルにおいてERK1/2のリン酸化は150%程度上昇していた。この訓練によるERK1/2の活性化は記憶形成に重要であるとされており、MK-801の処置によりこの上昇は抑制された。G010を一週間連続投与した群においてはこのMK-801によるERK1/2の活性化抑制作用は完全に緩解されていた。 以上の結果より、Nobiletin誘導体G010はPC12D細胞だけでなく、初代培養海馬神経細胞においても強力な PKA/ERK/CREBシグナル伝達活性を有し、Aβによる毒性発現を抑制する可能性が示唆された。また、G010のMK-801誘発性記憶障害改善効果には海馬ERKの活性化が関与している事が示唆された。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Nobiletin, a citrus flavonoid, reverses learning impairment associated with NMDA receptor antagonism by activation of ERK signaling.2007
Author(s)
Nakajima A, Yamakuni T, Matsuzaki K, Nakata N, Onozuka H, Yokosuka A, Sashida Y, Mimaki Y, Ohizumi Y.
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Journal Title
J. Pharmacol. Exp. Ther. 321
Pages: 784-790
Peer Reviewed
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[Journal Article] Nobiletin, a citrus flavonoid that improves memory impairment, rescues bulbectomy-induced cholinergic neurodegeneration in mice.2007
Author(s)
Nakajima A, Yamakuni T, Haraguchi M, Omae N, Song SY, Kato C, Nakagawasai O, Tadano T, Yokosuka A, Mimaki Y, Sashida Y, Ohizumi Y.
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Journal Title
J. Pharmacol. Sci. 105
Pages: 122-126
Peer Reviewed
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