2006 Fiscal Year Annual Research Report
ペルオキシソーム膜ABCタンパク質のペルオキシソーム膜選択的局在化機構の解析
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18790050
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
柏山 恭範 富山大学, 大学院医学薬学研究部, 助手 (20401812)
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Keywords | ペルオキシソーム / ABCタンパク質 / オルガネラ形成 / タンパク質局在化 |
Research Abstract |
ペルオキシソームは、真核生物にひろく分布する細胞内小器官であり、脂肪酸のβ酸化を含む脂質代謝系など生体にとって必要不可欠な機能を担っている。しかしながら、ペルオキシソームの形成機構については未だに不明な点が多い。とくにペルオキシソーム膜の形成及びペルオキシソーム膜タンパク質の局在化機構については殆ど解明されていない。そこで本研究では、ペルオキシソーム膜の主要構成タンパク質であるPMP70をモデルとして、ペルオキシソーム膜タンパク質の局在化機構を詳細に解析することを目的としている。本年度は1.PMP70のペルオキシソーム局在化シグナル及び2.ペルオキシソーム局在化機構に関与するたんぱく質群の同定を行った。 1.PMP70のペルオキシソーム局在化シグナルについては、PMP70の各種変異体をgreen fluorescent protein(GFP)との融合タンパク質としてCHO細胞に発現させ、その細胞内局在を蛍光抗体法により解析した。その結果、PMP70は、そのN末端144アミノ酸領域および第5-第6膜貫通領域の二カ所にペルオキシソーム局在化シグナルをもつことを見いだした。さらにこの領域に存在する疎水性アミノ酸が局在化シグナルとして重要であることを見いだした。また、これらの領域は同じくペルオキシソーム膜ABCタンパク質であるALDPの局在化にも重要であることを見いだした。 2.PMP70のペルオキシソーム局在化機構に関与するタンパク質群を同定するためPMP70のN末端144アミノ酸領域を大腸菌により発現・精製することに成功した。さらにペルオキシソーム膜タンパク質の輸送に関与するペルオキシソーム形成因子Pex3p、Pex16p、Pex19pの精製にも成功した。これらの成果によりPMP70の局在化シグナルの認識に関与するタンパク質群を同定する系を構築する準備が整った。
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