2007 Fiscal Year Annual Research Report
ペルオキシソーム膜ABCタンパク質のペルオキシソーム膜選択的局在化機構の解析
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18790050
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
柏山 恭範 University of Toyama, 大学院・医学薬学研究部, 助教 (20401812)
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Keywords | ペルオキシソーム / ABCタンパク質 / オルガネラ形成 / タンパク質局在化 |
Research Abstract |
ペルオキシソームは、脂肪酸のβ酸化を含む脂質代謝系など生体にとって必要不可欠な機能を担うオルガネラである。しかしながら、ペルオキシソームの形成機構については不明な点が多く、ペルオキシソーム膜タンパク質の局在化機構についても殆ど解明されていない。そこで本研究では、ペルオキシソーム膜ABCタンパク質の細胞内局在化機構について着目し、ペルオキシソーム膜タンパク質の局在化機構を明らかにすることを目的としている。本年度は1.ペルオキシソーム膜タンパク質の局在化に関与するタンパク質群の機能解析、2.ペルオキシソーム膜ABCタンパク質と考えられているP70Rの細胞内局在及び局在化機構について解析を行い、以下の成果を得た。 1.ペルオキシソーム膜上に存在するペルオキシソーム膜形成因子Pex3pを大腸菌により発現・精製し、その機能解析を行った。その結果、Pex3pが同じくペルオキシソーム膜形成因子であるPex19pと相互作用すること、またその相互作用にはPex3pのTrp-109が重要であることを見いだした。研究代表者はPex19pが細胞質中でペルオキシソーム膜タンパク質を可溶化するシャペロン様タンパク質であることを報告しており、本研究によりPex3pが、Pex19pと相互作用して輸送されてくるペルオキシソーム膜タンパク質のペルオキシソーム膜上での受容体として機能している可能性が示唆された。 2.P70Rの細胞内局在について、C末端HAタグ融合タンパク質をCHO細胞に発現させ解析を行った。その結果、P70Rがペルオキシソームではなく小胞体に局在することが明らかとなった。P70RはPMP70等のペルオキシソーム膜ABCタンパク質によく保存されたN末端細胞質領域を欠いており、ペルオキシソーム膜タンパク質の細胞内局在がN末端領域に存在する局在化シグナルにより規定されている可能性が示唆された。
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