2006 Fiscal Year Annual Research Report
マウスD-アスパラギン酸オキシダーゼの遺伝子クローニングとその変異体解析
Project/Area Number |
18790062
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
片根 真澄 北里大学, 薬学部, 助手 (90383653)
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Keywords | D-アスパラギン酸オキシダーゼ / フラビン酵素 / フラビン蛋白質 / D-アスパラギン酸 / D-アミノ酸 / Site-directed mutagenesis / 変異体解析 / 組換え蛋白質 |
Research Abstract |
D-アスパラギン酸オキシダーゼ(DASPO)は、酸性D-アミノ酸を分解する生体内酸化酵素である。マウスDASPO(mDASPO)、およびN末端にHisタグが付加されたmDASPO (His-mDASPO)の組換え体を大腸菌発現系において調製し、各組換え体の性質決定および変異体解析を行った。 1.組換え体の性質決定 両組換え体のD-Aspに対する活性は、補酵素FADを酵素反応液から除くことによりほぼ完全に失われた。また、本活性はDASPO阻害剤であるマロン酸およびmeso-酒石酸により特異的に阻害された。さらに、両組換え体の活性はD-AspおよびN-メチル-D-Asp(NMDA)特異的であり、他のD-およびL-アミノ酸に対する活性は非常に低レベルであった。これらの結果から、mDASPOは既知の哺乳類DASPOと類似した酵素学的性質を持つことが明らかになった。 2.His-mDASPO変異体の機能解析 ホモロジーモデリング法により、mDASPOの推測三次構造を構築した。活性部位に位置することが予測されたArg-216、Arg-237、およびSer-308残基に着目し、site-directed mutagenesisにより計10種類のHis-mDASPO変異体を作成した。Arg-216をMet、Ala、Glq、およびLeuに置換した変異体、およびArg-237をMet、Ala、Glu、およびTyrに置換した変異体は、いずれもD-AspおよびNMDAに対する活性が有意に低下していた。一方、Ser-308をGlyに置換した変異体、およびSer-308とGly-309をそれぞれGlyとTyrに置換した変異体は、いずれも両基質に対する活性が有意に上昇していた。これらの結果から、Arg-216、Arg-237、およびSer-308がmDASPOの機能発現に関与していることが示唆された。
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