2006 Fiscal Year Annual Research Report
レドックス変化に伴う酸性スフィンゴミエリナーゼの発現誘導機構の解析
Project/Area Number |
18790064
|
Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
熊谷 剛 北里大学, 薬学部, 助手 (30365184)
|
Keywords | 脂質 / シグナル伝達 / 酸化ストレス / スフィンゴ脂質 |
Research Abstract |
本年度は、ヒト酸性スフィンゴミエリナーゼ(ASMase)プロモーター領域をルシフェラーゼ遺伝子の上流に組み込んだレポータープラスミドを用いて、Diethyl maleate(DEM)によるASMase発現誘導に関わる転写領域の同定を目指した。 ヒトASMaseプロモーター領域(約470塩基対)を全長としたレポータープラスミド、および全長から順次100塩基対ずつ欠失させた変異プラスミドを作製し、ECV304細胞に導入して、DEMによるASMase発現に関与する領域の検討を行った。その結果、DEMによるASMaseの発現誘導には、プロモーター上の3ケ所の領域が関与することが明らかとなった。このうち、1ケ所についてはこれまで発現制御領域として報告がない領域であった。 次に、この領域についてさらに詳細に解析を行った。この領域にはcAMP-responsive element(CRE)と類似した配列が2ケ所存在していた。そこで、それぞれの配列を変異させたレポータープラスミドを構1築し、DEMによる発現誘導における各配列の関与を検討した。その結果、2ケ所のうち、上流に位置するCRE様配列が発現誘導に関与することが明らかとなった。 さらに、このCRE様配列をプローブとしたelectrophoretic mobility shift assay(EMSA)を行い、実際にDEM処理により転写因子が結合するかを検討した。その結果、DEM処理によりこのCRE様配列への転写因子の結合が充進された。そこで、結合する転写因子の同定を、CREに結合することが考えられる転写因子に対する抗体を用いたスーパーシフトアッセイにより試みたが、検討した転写因子の中で、この配列に結合する分子は確認できなかった。
|