2006 Fiscal Year Annual Research Report
小胞体におけるMHCクラスI提示抗原のN末端トリミング過程の分子メカニズム解析
Project/Area Number |
18790077
|
Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
服部 明 独立行政法人理化学研究所, 辻本細胞生化学研究室, 先任研究員 (50300893)
|
Keywords | 小胞体アミノペプチターゼ / 脂肪細胞由来ロイシンアミノペプチターゼ / 白血球由来アルギニンアミノペプチターゼ / 小胞体貯留機構 / MHCクラスI抗原ペプチド / X線結晶構造解析 |
Research Abstract |
小胞体アミノペプチダーゼの小胞体内腔における貯留メカニズムを明らかにするために、脂肪細胞由来ロイシンアミノペプチダーゼ(A-LAP)の結合タンパク質の探索を行なった。 A-LAPのC末端にFLAGタグを付加したA-LAP-FLAGタンパク質を恒常的に発現するHeLaS3細胞株HeLaS3/A-LAP-FLAG細胞を作製した。HeLaS3/ALAP-FLAG細胞抽出液から、A-LAP-FLAGを抗FLAG抗体によって免疫沈降した後、FLAGペプチドで溶出されるタンパク質をSDS-PAGE後、銀染色によって可視化した。その結果、A-LAP-FLAG以外にいくつかの共沈タンパク質が見出された。これらについて、マススペクトル解析による分子同定を行った結果、小胞体内腔の分子シャペロンであるBipが同定された。それ以外には小胞体タンパク質は見出されず、主にケラチン類など細胞質タンパク質であった。BipとA-LAPの結合のA-LAPの小胞体貯留における意義については、次年度、詳細に解析を進める予定である。 小胞体アミノペプチダーゼ立体構造解析を行うため、バキュロウイルス発現系にて大量発現させた脂肪細胞由来ロイシンアミノペプチダーゼ(A-LAP)の遺伝子組み換え型酵素を用いて、A-LAPの結晶化条件の検討を行った。その結果、いくつかの結晶化条件が得られたものの、X線回折像が得られるには至らなかった。その原因が、A-LAPに付加するアスパラギン結合型糖鎖にあると考え、付加糖を1本あるいは完全に除去したA-LAPを作製し、結晶化条件の検討を進めている。 また、白血球由来アルギニンアミノペプチダーゼ(L-RAP)の遺伝子組み換え型タンパク質の発現系をヒト培養細胞293細胞の浮遊培養系を駆使することで確立した。
|